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企業理念浸透プロジェクト - Vol.2 3つのValueとフレームワーク -

前回の記事では、『企業理念浸透プロジェクト』発足の経緯をご紹介させていただきました。
今回は、企業理念を浸透させるための《行動変容》を起こすために策定した、"Value"についてご説明いたします。

コルテクネは、ご依頼いただいたすべて案件に「提案型」の姿勢をとっています。
「依頼内容を達成すること」ではなく、「課題を解決すること」がゴールであると考えているからです。

根本的な問題点を掘り起こし、ソリューションを考える。
そして何より、お客様とユーザー、そしてコルテクネのメンバーもサービスを通して喜びに触れることのできる仕事をする。
この姿勢こそがコルテクネの強みであり、これからも大切にしていきたい価値観です。
そこで、ここから3つのValueを策定することにしました。

引き出す 生み出す 膨らます

それぞれについて、詳しく説明していきます。

引き出す

ご相談をいただく時点では、お客様自身が、問題の原因や目指す方向性が定まっていない場合があります。時には、お客様も思っても見なかった部分に原因がある場合もあります。
相談や依頼の根底には何があるのか、企業・組織として何を目指すためのシステムなのか、お客様の依頼の本質を見極める。
そのためには、プロジェクトを進める前に十分なヒアリングを重ねて、相手を理解するところから始まります。
そして、日頃の会話やご連絡の中でもヒントを見つけ、時には角度を変えた質問をしながら物事の本質を探り出す。
そういった姿勢と積極性を、「引き出す」として第1の"Value"にしました。

生み出す

第2の"Value"は、フォードモーターの創始者ヘンリー・フォードの有名な名言を基にしています。
「もし私が顧客に何がほしいか聞いていたら、 彼らはもっと速い馬がほしいと答えただろう。」
顧客の声をそのまま受け取っていたら、自動車は誕生しなかったという話です。
Webやシステムに明るい人だけがクライアントではありません。話に聞いたり、どこかで見た物をご依頼として持ってきていただくことが多々あります。
しかしお客様が本当に必要している物をご提供するには、依頼内容に囚われてはいけません。引き出した内容から、お客様やさらには周囲の発想をも超えるご提案をすることが必要です。
webのプロとして、創造する姿勢を大切にするための"Value"です。

膨らます

システム開発には、3つの重要な視点があります。
提供者となるお客様(コルテクネのクライアント)の視点、システムを利用するエンドユーザーの視点、そして、システムを開発するコルテクネの視点です。
お客様の課題や目的を意識しすぎて、ユーザビリティの損なわれたシステムでは、どんなに機能の充実したシステムでも使われることはありません。
そして企業として、携わってよかったと思えるシステムを開発することはメンバーの意欲や成長につながります。
もちろん、そればかりを意識してお客様の視点を蔑ろにしてはいけません。
どれか一つが欠けていては、持続可能性のあるシステムを作ることはできないのです。
この3つの視点がすべて大切にされ、喜ばれるシステムは、膨らむように自然に成長していくのではないでしょうか。
近江商人の「三方良し」とも通ずる、日本でも古くから大切にされてきた考え方。
みんなを幸せにしたい。そういった想いをのせた、第3の”Value”です。

3つの”Value”策定しましたが、これまた、あるだけでは行動に反映させることができません。
そこで、策定と共にコルテクネオリジナルの「行動変容フレームワーク」を作成しました。

行動変容フレームワーク

「引き出す」では、「依頼内容」「課題」を明確に分けて考えてもらいます。
「依頼内容」は伺ったことをそのまま記入し、「課題」はヒアリングの中で見えてきた問題点やゴールを記入します。この二つが一致している場合は、引き出す作業が足りていない可能性を危惧する必要があります。

「生み出す」では、「クリティカルシンキング」の項目を記入させることで、伺った内容を批判的に考えます。主観や前提、依頼内容自体を疑うことで、論理的な思考で最適解に辿り着くことが目的です。
そして「課題」に対する解決策を、「自らのアイデア」によって考えてもらいます。
ここでも、「依頼内容」と「自らのアイデア」が一致している場合は、生み出す作業が足りていない可能性があります。

「膨らます」では、3者それぞれのメリットを明確に記述します。
「コルテクネのメリット」は、初めは記入が難しいかもしれません。しかし企業として継続し成長するためには、無視できない項目です。技術スタックや実績を重ねることがメリットのご提案や、メンバーが無理をしない開発のためのご提案をさせていただくこともあります。お客様やエンドユーザーにメリットがある中で、コルテクネのメリットも追求し、プロジェクトが終わった後には全員が笑いあえる状態が理想です。

お客様に提案やご説明する時や、社内で企画・提案を挙げる時など、どんな些細な考え事にもこのフレームワークを利用を促しています。
日々タスクをこなす中で、いちいちフレームワークを記入するのは大変かもしれませんが、思考や行動に癖づけるためには、一番の近道です。

少し話が逸れますが、私は通っていた小学校の学校スローガンを今でも覚えています。

「聞く気 やる気 元気な子」

私の記憶力が良いばかりに、いつまでも小学校のスローガンを覚えているのかもしれません。
しかしおそらく本当の理由は、シンプルな構成と、毎週の朝礼で耳にし、体育館や廊下など至る所で目にしていた事だと思います。
毎日新しい事を吸収しまくっていた当時の小学生が、「聞く気 やる気 元気な子」の11字を記憶できていました。同じようにシンプルに作られたValueです。

入社すぐには3つすべてを意識できなくても、同じようにしっかりと伝えて共有し続ければ、「引き出す 生み出す 膨らます」の13字を念頭に置くのは造作のない事でしょう。

コロナ禍という激動の時代が、すでに1年以上続いています。今後もさらなる未曾有の事態が訪れる可能性があります。
そんな中では、メンバーが方向性を迷わず、お客様に対して、社会に対して、社内に対して、常に地に足のついた迅速で賢明な判断ができる体制が求められます。
また、そういった判断力は競争優位性となり、コルテクネを成長させていく上でも重要です。

これからはプロジェクトとして発足せずとも、コルテクネの文化として企業理念が浸透し、伝えられている状態を目指していきたいと思います。


Illustration by Natasha Remarchuk from Ouch!

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